君がいなきゃ何も始まらない
2011年のクリスマス、私は一目惚れをした。
「この中ならマリウスくんが好みだな」という邪な気持ちを抱え、友人についていった握手会でまんまと射抜かれてしまったのだ。
その時の衝撃はきっと一生忘れないと思う。
それから時がたち、2017年5月7日。
Sexy Zoneの5周年記念ツアーSTAGEオーラス
私は右手に持った赤い薔薇に誓った。
Sexy Zoneの10周年を必ず見届けると。
マリウスくんがしばらくおやすみをするという知らせを聞いた時、私はどこか他人事だった。
アイドルといえど人間。
私にとって仕事が憂鬱なように、彼にとっても仕事は楽しいことだけではないと思う。
今の時代、仕事をしていく上でワークライフバランスは大切だ。
幼い頃からずっと仕事をしているのだから、仕事を休む期間があったっていいと思う。
なにより大好きなマリウスくんが決めた「休む」という選択を否定したくない。
だからあまり、マリウスくんのおやすみについて、赤の他人である私がとやかく言及したくなかった。
今思えば、現実を余り受け入れたくなかっただけなのかもしれない。
そんな中で迎えた、Sexy Zoneの10周年記念ツアー。
正直コロナ渦で色々と思うこともあったし、何よりマリウスくんがいないツアーに出向くか悩んだ。
けれど、デビュー当時から応援してきた身として、行きたい気持ちが勝ったので、横アリ公演だけ行くことにした。
久しぶりの現場はすごく楽しみで、とびきりのおしゃれをして向かった。
会場の空気感もなんだか緊張で落ち着かない。でもそれが心地良くて。
健人くん風に言うとさながらデート直前のLadyのような気持ちだった。
（健人くんに謝れ）
ついに始まったオープニング。
懐かしすぎて青春が蘇る。
気付いた時にはすでに涙が溢れていて、自分でも涙腺の弱さに驚いた。
オープニングが終わり、４人が登場。
マリウスくんのいないSexy Zoneを観れるのかという不安はあったが、なんだか、違うグループのコンサートに来ているような感覚で。
そこにいるのは紛れもなくSexy Zoneなのだけれど、何かが違う気がして、あまり現実感がなかった。
今までの思い出を少しずつ振り返りながら、進んでいくツアー。
久しぶりのはずなのに、振りはしっかり身体が覚えていて。
時間を忘れて楽しんだ。
コンサート終盤。
Sexy Zoneのデビュー曲、Sexy Zoneで５色のスポットライトが照らされた。
幾度となく聴いてきたイントロが流れる。
-空ニ、カザシタ手ノヒラ。-
このフレーズ聴いた瞬間、突然現実が襲ってきた。
容赦なく突きつけられる、マリウスくんがここにいないという現実。
First Concertでこの曲を踊っていたマリウスくんの姿は今でも鮮明に思い出せるのに、10周年のコンサートで踊る彼の姿はそこにはない。
困惑した気持ちのまま曲が終わり、最後の挨拶へと切り替わる。
健人くんの挨拶が終わり、勝利くんが話した。
「僕がセンターでデビューして、心に誓っていたのは、ずっと５人で歩んで行きたいということです。それは10年経っても1ミリもブレていません。デビュー曲のSexy Zoneはスポットライト５本分、Sexy Zone ５人だという意味を込めて入れました。」
その言葉を瞬間に心の中の何かが外れて、涙が止まらなかった。
私は現実から目を背けていただけだったと思い知った。
肩を震わせてたくさん泣いた。
私は10周年のステージに立つ、マリウスくんの姿がみたかった。
マリウスくんのことが好きだからこそ、彼の選択は尊重するべきだし、肯定してあげたいのに。
どうしてもマリウスくんに会いたくてたまらない気持ちを抑えられないのが、悔しくて、苦しくて。
RUNの歌詞が、その時の私の気持ちを表しているようだった。
-ここでやめんな やめんなよ-
-君がいなきゃ何も始まらない-
思い返せば、色んなことがあった。
大学受験や就職活動。
すごく辛かったけれど、故郷を離れてひたむきに頑張るマリウスくんの姿をみて、私も頑張ろうと思えた。
マリウスくんに、ずっと支えられてきた。
もしかしたら、マリウスくんの笑顔に頼りすぎていたのかもしれないってくらいに。
マリウスくんがいなきゃ、私はここまで頑張れなかったから。
ずっと付いてきたのに、マリちゃんのいない10周年なんて受け入れられるわけないじゃない。
やっぱりマリちゃんがいなきゃ寂しいよ。
マリちゃんがいなきゃ、何も始まらない。
そんなこと言ったら、頑張っている４人に失礼だよね。
聞き分けの悪いファンでごめんね。
10周年、おめでとう🌹
うっかり猪狩蒼弥に落ちた話
そもそも私は、自担に一途な人間だった。
忘れもしない、2011年のクリスマス。勝利担の友人に誘われ、面白半分でついて行った握手会で、天使のような優しい笑顔に一瞬で心を奪われた。あの時の胸を射抜かれたような感覚はずっと今でも覚えてる。
その後のFirst Concertから今の今まで、コンサート、舞台、イベントと、とにかくマリウスくんの現場には行ける限り全部行った。もちろん辛いこともたくさんあったし、セク鬱の時は見ていられなくて降りたいとさえ思った。それでも頑張るマリウスくんが大好きだから、ずっと離れずにマリウスくんだけを応援してきた。マリウスくんへの異常な愛情が功を奏したのか、有り難いことに運にも恵まれ、割と満足なおたくライフを送っていたと思う。
キラキラしてて、可愛くて、でもかっこよくて、ファン思いで、多才で、自分に自信があって、おしゃべりで、誰よりも笑顔が素敵な、世界で一番大好きな人。オタ友にも引かれるくらい、マリウスくんしか見えなかった。自分でもマリウスくんが最後の担当だろうと信じて疑わなかった。
そう、猪狩蒼弥くんに出会うまでは。
きっかけは些細なことだった。2018年5月、風の噂で、ジャニーズがyoutubeに手を出したと聞いて、面白半分で動画を覗いた。特に推しているグループもなかったので、たまたまその日にアップロードされていたからと、観た動画がこれ。
何の気なしに、異文化交流的なノリで動画を観ていた。一応全員の顔と名前は一致していたから可愛い子探しをするわけでもなくただただ観ていた。ジャニーズらしい企画だなあくらいにしか思ってなかった。
しかし動画が2:29を迎えた時、思わず画面を一時停止した。「きびだんごは無いけど、一生オレについてきてね」と微笑む彼をみて、素直に「可愛い」と思った。そう、それが猪狩蒼弥くん。元々猪狩くんのことは知っていたけどタイプじゃないと思ってたしなぜこの時、急に彼が可愛くみえたのかは今でもよくわからない。
問題はここから。いつもなら可愛いと思っても自己完結するんだけど、何故かDDのMちゃんに「猪狩くん可愛い」とLINEをしてしまった。Mちゃんが橋本涼くんの顔が好きとずっと言ってたのをすっかり忘れていた。その一週間後くらいにサマステが発表されたのをいいことに、「わたしともJETなDOするLIFEなうしよ？」とか言いだして、なんか気づいたら単独のチケット取ってた。しかもオーラス含む3公演。DDこわい。
まあそもそも私が猪狩くん可愛いとか言い出したのがきっかけだし、せっかくチケットを取っていただいたので、ちゃっかりついていった。猪狩くんを可愛いと思ったのは5月の出来事。クリエも少し入るか悩んだけど結局口だけで行動しなかったし、6月にはワクワク学校があり、完全にマリウスくん一途人間に戻っていた。サマステまでに発表されたDREAM BOYSは応募すらしなかったし、なんなら友達にプレイガイドの電話の協力してたくらい。繋がらなかったけど。24時間テレビも控えていたので、猪狩くんのことは記憶の片隅くらいにしかなかった。
そんな中、迎えた公演日。私がEXに通っていたのはマリウスくんが出ていた2014、2015年のたった2年。3年ぶりのEXシアターはとってもアウェイだったし、なんなら開場時間よく見てなくて200番くらい遅れて入った。ただ、EXに通っていた頃の本能的な何かでちゃっかりベストポジションを確保し、事前に会場で購入していた公式ペンライトを持ち開演を待つ。
あっという間に始まったコンサート。まさかのOvertureがセクゾのFirst Concertと同じ曲で、今から開演だというのにマリウスくんの顔を思い出してた。本当に最低だと思う。
優斗くん、瑞稀くん、涼くんの3人が軽く挨拶をした後、サマー・ステーションの前奏が流れ、みなみなサマーが始まった。
「夏がきた〜！！！」
私の瞳に映った瞬間、無邪気に彼がそう叫ぶ。
ギュンッ
一瞬の出来事だった。思わず口から溢れた「かっこいい」という言葉。たくさん機会はあったはずなのに、この時初めてまともに本物の彼の姿を観た。なんで今まで気づけなかったんだろうと後悔の気持ちでいっぱいになりながらも、キラキラ笑顔でステージに立つ猪狩くんから目が離せなかった。誰かを観てこんな気持ちになるのは、7年ぶりの感覚だった。
更に驚くことに、セトリがとても良い。私が観たかったコンサートそのものだった。
特に、Welcome to my hometown、罪と夏、BANG! BANG! バカンス!、Summer Splash!の流れは天才だった。「ハートがjumping❤︎」する猪狩くんと一緒に私のハートもjumpingしてたマジで。ジャニヲタになってから、幾度となくコンサートには行ったけど、こんなに純粋にコンサートを楽しんだのは久しぶりだった。
多分理由なんてなくて、なんとなく猪狩くんに惹かれるものがあったんだと思う。それが本物の猪狩くんを観たことよって爆発してしまった。猪狩くんの造り出す沼に、ちょうどすっぽりハマってしまったのだ。
彼の視野の広さにも驚いた。緑のペンライトを見つけては片っ端から構っていく。「すげえなこいつ」と思いながらバルコにいる彼をぽけーっとみていたら、Mちゃんに「なんかしなよ！？」と怒られた。申し訳ないと思いつつも、恐る恐る片割れハートを作ってみると秒で気づいてキラッキラの笑顔でハートを作ってくれて思わず固まった。ファンサービスが全てではないけれど、片っ端からファンの意に応えようとする彼のアイドル精神に完敗だった。
MCでメンバーをいじりながら無邪気に笑う姿もまた可愛い。パフォーマンスしている時は超かっこいいのに、突然可愛くなるから困る。ギャップ萌えとはまさにこのこと。とにかく感情が忙しかった。
そんなこんなで、コンサートが終わる頃にはすっかり彼の虜。最後に「これからも、俺たちのことずーっと愛してくれますか！！」と言われた時には思わず「HiHi！」と叫んでいた。終わった頃には放心状態。リアルに「そうやすき」って言葉しか出てこなくて、Mちゃんは大爆笑。あの時の私の偏差値は多分3くらいだったと思う。Mちゃんには感謝しかない。Mちゃんに便乗してちゃっかり3公演も入ったくせに、もっと入りたかったと後悔したくらい、楽しい夏だった。
ちなみに応募すらしなかったはずのDREAM BOYS初日、私は帝国劇場にいた。そもそも私は超がつくほどのちょろおた。よりによって年中現場祭りのHiHi Jetsを好きになってしまったのは本当にタチが悪いと思う。この1年、DREAM BOYS、IsLAND、TDC、クリエ、オープンライブ、サマステ、Jr.祭と時間が許す限り、猪狩くんの現場には足を運んでいる。最初は一時の気の迷いだと思っていたけど、そろそろ自分の気持ちを誤魔化せない。どうやら私は本気で猪狩くんにハマってしまったようだ。
この気持ちがいつまで続くかわからないし、結局いま自分がどっちが好きなのかもわからないけれど、後悔したくないから、とりあえず今は2人のことを全力で応援しようと思う。
だって2人とも好きなんだもん。
7年もの間、一途だったおたくをこんな気持ちにさせてしまう猪狩くんは、罪な男かもしれないなあ。
